藤が丘駅前地区再整備計画を考える〜多くの住民が「よりいい街になりそうだ」と思える計画に

By 藤が丘を未来につなぐ会

(以下は、2025年3月19日(水)午後7時開始「藤が丘駅前地区に関する都市計画市素案公聴会@藤が丘地区センター」において「藤が丘を未来につなぐ会」が公述した内容です。)

藤が丘を未来につなぐ会について
 私たち藤が丘を未来つなぐ会は、2022年にスタートして以後、住民に対して藤が丘駅前再整備計画の理解を深めるための説明会や声を聴く意見交換会等を計7回行い、横浜市等に伝えてきました。一昨年は私たちの手元に届いた482通の意見書を横浜市に提出しています。

住民の声
 私たちはこれまで行ってきた活動を通じ、多くの住民は藤が丘駅前の再開発に賛成し期待していると感じています。しかし計画内容をきちんと知ることで、不安や懸念の声も多数でてきます。至近に行ったアンケート調査でも今のままの計画でいいという人は1/3程度にとどまり、残りの2/3は計画の見直しを求めています。とはいえ、計画に完全に反対というわけでななく、時間をかけてでも修正や見直しをすべきだという意見が多数派です。アンケートや意見交換会から住民の声をまとめると、主に2つ点で反対の意見が強いようです。
 一つは、駅前公園が移設され駅前に無くなり、病院の北側に配置されること。もう一つは建て替えにより建設される新病院が60mもの高層計画になっていることです。

①駅前に公園がなくなることについて
 駅前公園には毎日たくさんの子供たちが集まっていて、藤が丘住民にはなくてはならない場所になっています。文字通り駅前ということで、人目に付きやすく防犯上も安心できるということで、とくに子育て世代の母親たちから駅前公園の重要性を聞きました。公共性の高い病院の建て替えが必要なことは、多くの人が理解しています。
 しかしそのことによって、公園が駅前からなくなり、病院の裏手に再配置する計画に対しては、大きな建物の裏側に移ることで、今までのようにたくさんの人の目ににつくことが少なくなるなどの不安を感じています。そして何より、駅前に公園があることは、藤が丘の象徴の一つであり住民に深く愛されていることも反対の大きな要因になっていると思います。

②60Mもの高さのビルが建つことについて
 もう一つは建て替えられる病院が60mもの高さに計画されていることです。多くの人は60mと聞いてもその高さを想像できませんが、周辺の建物高さやマンションなどの階数に置き換えて説明すると驚かれます。
 今の藤が丘駅前は、公園と低層のショッピングセンターに挟まれ、周囲の建物も20mの規制の中で建っており、駅前からも大きく空が広がっています。それが新しく建築されるマンションと病院に挟まれ、視界が狭められ、圧迫感のある景観に変わることは想像に難くありません。
 そもそも藤が丘は、素朴な街並みが特徴で、それを好んで住んでいる人も多くいます。近代的な街並みより今のままがいいという意見も多数あります。その「藤が丘らしさ」を大きく変えてしまう開発内容が不安を拡大させているようです。

私たちの提案
 私たちは病院の建て替えの重要性を理解しています。再開発にも期待しています。しかし計画に不満を持つ住民が多くいることを知っています。なので、少しでも住民の不満を解消できる計画に修正して開発を進めるべきだと思います。

① 建て替え病院の配置の提案
 新病院の建設位置は、現在計画されている場所から東側(つまり線路側)にギリギリまでずらすべきだと思います。
 またその際、線路沿いの道路は必要性をなくすことができるので廃道とし、歩行者が行き来できる歩道のみを残します。さらに北側(つまり現病院側にもギリギリまで寄せます。
 こうすることで、西側(居住区域が広がる方向)と、南側(駅前ロータリーがある藤が丘の玄関口側)に空間が生まれます。そこで西側には、駅前公園に変わって子供たちが集える場所をつくるりましょう、駅前公園の喪失に対する不安を大きく減らすことになるはずです。西側に住む人にとっても、少しでも居住エリアから高層病院が離れるこは歓迎すべきことです。さらに北側に寄せることで、駅前から見る空が少し広がります。一方で現病院が営業を続けながら建て替えができ、住民にとっても、病院を利用する人にとってもメリットが残ります。

横浜市の計画案

私たちの修正提案

② 高さ規制の緩和を見直しより低層に
 現在60mまで緩和させる計画になっていますが、あまりに高層過ぎると思います。北東にあるスペースを有効に使うことで、若干建物の敷地面積を広げることもできそうです。それに地下化の推進を加えて、建物を低く抑える工夫をもっとすべきです。20mの現規制範囲内で建てることは無理があるかもしれませんが、60mまで緩和を広げずに建設することを考えるべきと考えます。

 高さ規制の緩和について少しでも多くの住民が納得できるよう、必要性のエピデンスを明確に示しながら住民の納得を得られる説明と提案を横浜市も昭和大学病院も行っていただきたいと思います。なお、新病院の建設場所は傾斜により北東方向の土地が高くなっています。建設位置を北東方向にできるだけずらし、斜面を削って建設することで、多少高くても圧迫感をふせぐことになるので、建設位置と高さを抑えることをセットで行うことで、住民の納得を得やすくなります。

最後に
 計画を住民にとってもよりいいかたちに修正して開発を進めてほしいという多数の意見を背景にお話ししましたが、他に「高層化でもいい、早く開発を進めてほしいので修正は不要」という計画賛成派や、「今の街並みを残すべきでありこの計画は反対だ」と強く主張する反対派の人もおり、多くの声を聞いてきました。
 だからこそ、私たちの修正提案は、賛成派が抵抗したくなるような建設白紙等ではなく、病院の継続営業にも配慮しています。また、高層化や駅前公園の喪失に強く抵抗する反対派にとっても受け入れやすくなっていると思います。私たちは少しでも多くの住民が「よりいい街になりそうだ」と思える計画にして欲しく、提案をいたしました。実現は専門家の方々の努力と工夫次第で十分可能だと思います。

藤が丘を未来につなぐ会のHPはこちら

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